政治経済

円安と円高の違いは?メリットやデメリットは?どっちがいい

円安と円高の違いは?メリットやデメリットは?

2023年9月21日~22日、日本銀行で金融政策決定会合が開かれました。

大方の予想通り、金融政策の現状維持で決まりましたが、決定を受けて一時148円台前半まで円安が進行しましたね。

今さら聞けない「円安や円高って何?」「メリットやデメリットは?」

私たちの生活にもかかわってきますので、大切な家計を守るためにも、今一度詳しく知っておきましょう。




円安とは

円安とは外貨に対して円の価値が下がっている状態のことです。

たとえば、米ドル/日本円の為替相場が「1ドル=100円」から「1ドル=120円」になった場合が円安です。

円安になると起こる事柄として

・輸出企業の収益が増加する

・輸入企業のコストが増加する

・海外旅行の費用が増加する

・国内の物価が上昇する

円安は、輸出企業にとって有利な状況となります。

円安によって輸出製品の海外での価格が下がるため、海外での売り上げが増加し、収益が増加します。

一方、輸入企業にとっては不利な状況となります。

円安によって輸入製品の価格が上昇するため、コストが増加します。

円高とは

円高とは外貨に対して円の価値が上がっている状態のことです。

たとえば、米ドル/日本円の為替相場が「1ドル=120円」から「1ドル=100円」になった場合が円高です。

円高になると起こる事柄として

・輸入企業の収益が増加する

・輸出企業のコストが増加する

・海外旅行の費用が減少する

・国内の物価が下落する

円高は、輸入企業にとって有利な状況となります。

円高によって輸入製品の価格が下がるため、コストが減少します。

一方、輸出企業にとっては不利な状況となります。

円高によって輸出製品の海外での価格が上昇するため、売り上げが減少し、収益が減少します。

また、円高は海外旅行の費用を減少させます。

円高によって海外の通貨の価値が下落するため、同じ金額で買える商品やサービスの数が多くなります。

さらに、円高は国内の物価を下落させる可能性があります。

円高によって輸入品の価格が下がると、国内の企業も輸入品に依存しているため、国内の物価も下落する可能性があります。



円安と円高のメリット・デメリット

円安と円高の違いとは

このように、円安と円高とは

外貨に対して円の価値が下がっている状態と、円の価値が上がっている状態になります。

つまりは相反しているわけですが、実はどちらがいい…と一概には言えず、メリットデメリットがどちらにもあるわけですね。

どのご家庭にも少なからずかかわってきますから、わかりやすくまとめてみると

円安のメリット

輸出企業

円安になると、海外で販売する日本の製品やサービスが割安になるため、海外の消費者が日本の製品やサービスをより多く購入するようになります。

これにより、輸出企業の売上と利益が増加する可能性があります。

インバウンド消費

円安になると、日本を訪れる外国人観光客にとっては、日本円で買い物をする際に割安になるため、日本への旅行や観光が増える可能性があります。

これにより、日本国内の観光業や飲食業などの関連産業が活性化する可能性があります。

外貨建て資産

円安になると、外貨建て資産の価値が上昇するため、円を外貨に換えた際に得られる金額が増える可能性があります。

そのため、外貨建て資産を保有している個人や企業は、資産価値の増加が見込めます。

円安のデメリット

輸入品の価格上昇

円安になると、海外から輸入する原材料や部品などの価格が上昇するため、国内での生産コストが上昇する可能性があります。

これにより、輸入品や国内製造品の価格が上昇する可能性があります。

インフレ率の上昇

輸入品の価格上昇や、輸入原材料価格の上昇が国内の物価に波及することで、インフレ率が上昇する可能性があります。

家計の負担増

輸入品の価格上昇や、国内製造品の価格上昇により、家計の負担が増加する可能性があります。

食品、電気、ガス、ガソリンなど毎月のように値上げのニュースで頭が痛いところですが…

円高のメリット

輸入企業

円高になると、海外から輸入する原材料や部品などの価格が下落するため、国内での生産コストが下がる可能性があります。

これにより、輸入企業の利益が増加する可能性があります。

インフレ率

輸入品の価格下落が国内の物価に波及することで、インフレ率が低下する可能性があります。

家計

輸入品の価格下落や、国内製造品の価格下落により、家計の負担が軽減される可能性があります。

円高のデメリット

輸出企業の収益減少

円高になると、海外で販売する日本の製品やサービスが割高になるため、輸出企業の収益が減少する可能性があります。

アウトバウンド消費の減少

円高になると、日本を訪れる外国人観光客にとっては、日本円で買い物をする際に割高になるため、アウトバウンド消費が減少する可能性があります。

外貨建て資産の価値下落

円高になると、外貨建て資産の価値が下落するため、円を外貨に換えた際に得られる金額が減る可能性があります。

2023年10月円は150円まで安くなるのか?

9月26日には1ドル149円台で、約11か月ぶりの円安水準となりました。

アメリカでは金融引き締めが長引くとの観測から長期金利が上昇している。

円相場は節目となる1ドル=150円に迫っていて、市場では、政府・日銀による円買い・ドル売りの為替介入への警戒感が高まっている。

急激な円安で政府の為替介入があるのか?注目したいところですが…

まとめ

円安は、輸出企業にとって有利ですが、輸入企業にとっては不利です。

円高は、輸入企業にとって有利ですが、輸出企業にとっては不利です。

どちらが良いかは、その人の立場によって異なってくるわけですが、円安や円高が進むと、経済や生活にさまざまな影響が出ます。

例えば、原油価格の上昇に伴い電気やガス、ガソリンが高くなっているのは

ウクライナ侵攻が要因ですが、加えて円安も関係しているから…といえるわけですね。

このように、円高・円安は私たちの生活に直結してくる事柄ですから

普段のニュースをチェックして、その影響について理解しておきましょう。