政治経済

全銀システムトラブルの原因は何?いつごろ復旧する見通し?

全銀システムトラブルの原因は何?いつごろ復旧する見通し?

2023年10月10日午前、全銀システムで何らかのトラブルが発生

「振り込みができない」など困惑の声も多数あがっています。

10月11日午前でもまだ復旧のめどは立たず…復旧はいつ頃になるのでしょうか?

全銀システムとは





全銀システム(全国銀行データ通信システム)とは、日本国内の金融機関相互の内国為替取引をコンピュータと通信回線を用いて、オンライン処理を行えるようにした手形交換制度です。

1973年4月9日に稼働を開始し、以後処理能力の向上と設備増強を繰り返し、2019年11月4日からは第7次全銀システムが稼働しています。

全銀システムの機能

・振込(他行宛ての現金振込、定額自動振込、給与振込など)

・振替(口座間の資金移動)

・口座振替(公共料金や通信費などの引き落とし)

・手形交換(手形の振出し、決済など)

・売掛金消込(取引先への売掛金の消込)

全銀システムのメリット

・手続きの効率化:紙ベースの手続きに比べて、迅速かつ効率的に取引を処理できます。

・コスト削減:紙や郵送などのコストを削減できます。

・セキュリティの向上:オンライン処理により、手形の盗難や紛失などのリスクを軽減できます。

全銀システムは、日本の金融システムを支える重要なインフラです。

全銀システムがなければ、銀行間の資金移動や手形の決済が円滑に行われず、日本の経済活動に大きな影響を与えることになります。

1973年稼働から現在まで1度もトラブルはなく、世界的にも優秀なシステムだと注目されていましたが…

今回のトラブルの原因何?でしょうか。

全銀システムトラブルの原因





2023年10月10日に異常を確認して以降夜通しでの復旧作業が行われていますが、11日午前中ではまだトラブルの原因も復旧の時期も未定とされています。

原因と考えられているのは、全銀ネットと各金融機関をつなぐ中継コンピューター(RC)のシステムトラブル

全銀ネットによると、10月7日~9日にRCの保守期限到来に伴う更改を14金融機関で実施したところ、このうち11の金融機関で、10日午前8時半過ぎに不具合を検知したといいます。

事務局では、内国為替制度運営費のチェック機能の不具合が原因ではないかとみています。

(RCは6年で更改を行います。)

具体的には、RCのソフトウェアの不具合により、内国為替制度運営費の計算が誤った値になったことで、システム全体に混乱が生じたと考えられています。

この障害により、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行など11の金融機関で他行宛ての振り込みや他の銀行からの入金ができなくなりました。

この障害は、全銀システムの稼働開始以来、50年間で初めての顧客影響が出る障害となってしまったわけです。

他行あての振り込みが遅延する可能性

金融機関どうしの資金のやり取りを担うシステムに不具合が発生し、10日、11の金融機関で他行宛ての振り込みができなくなりましたが、11日になっても復旧の見通しは立っておらず、システムを運営する団体は他行宛ての振り込みが遅延する可能性があるとしています。

振り込みが遅延する可能性があるのは

▽三菱UFJ銀行
▽りそな銀行
▽埼玉りそな銀行
▽関西みらい銀行
▽山口銀行
▽北九州銀行
▽三菱UFJ信託銀行
▽日本カストディ銀行
▽JPモルガン・チェース銀行
▽もみじ銀行
▽商工組合中央金庫の11の金融機関です。

引用元:NHK NEWS https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231011/k10014221601000.html

ハッキングされた可能性は?

全銀システムトラブルの原因は、ソフトウェアの不具合とされています。

しかし、ハッキングの可能性も完全には否定できません。

ハッキングとは、コンピューターやネットワークに不正アクセスして情報を盗み取ったり、システムを破壊したりする行為です。

ハッカーは、さまざまな手口を使ってシステムに侵入するため、発見が難しい場合があります。

今回の全銀システムトラブルでは、RCのソフトウェアの不具合が原因とされています。

しかし、この不具合は、ハッカーが仕掛けたウイルスやマルウェアによって引き起こされた可能性もあります。

また、RCの保守期限到来に伴う更改が行われていました。

この更改作業の際に、ハッカーが不正アクセスしてシステムに侵入した可能性も考えられます。

今のところハッキングされたという可能性は低いですが、全銀システムは日本の金融システムを支える重要なインフラです。

今後このような障害が発生しないよう、全銀ネットは一層システムのセキュリティ強化に努めることも必要でしょうか。

まとめ

全銀システムの特徴、メリットしては

・手続きの効率化:紙ベースの手続きに比べて、迅速かつ効率的に取引を処理できます。

・コスト削減:紙や郵送などのコストを削減できます。

・セキュリティの向上:オンライン処理により、手形の盗難や紛失などのリスクを軽減できます。

全銀システムは、日本の金融システムの高度化と効率化に大きく貢献しています。

1973年の稼働以降、1度もトラブルがなく優秀なシステムでしたが、いったんトラブルが起こると全国的に影響も大きいわけですね。

「給料が振り込まれない」とたちまち生活に関わってきますよね…

10月11日午前中ではまだはっきりとしたトラブルの原因も、復旧の見通しも立っていませんが何とか早い復旧を期待したいところです。