政治経済

埼玉県の自民党県議団が県議会に提出した虐待禁止条例改正案とは

埼玉県の自民党県議団が県議会に提出した虐待禁止条例改正案

2023年10月6日の福祉保健医療委員会で賛成多数で可決されたことから、10月13日の本会議で成立する見通し…

ですが、賛否両論渦巻いている虐待禁止条例改正案

これからの日本を背負う子供たちのためにも、みんなで考察したい問題となりうるでしょう。

虐待禁止条例改正案とは





虐待禁止条例改正案の内容を端的にまとめてみると

・小学3年生以下の子どもを自宅や車内などに放置することを虐待と位置づけて禁止する

・小学4年生から小学6年生までの子どもについても、放置や置き去りをしないことを努力義務とする

・虐待を受けた児童の発見時や、児童虐待が疑われた場合の通報を県民の義務とする

虐待禁止条例改正案の目的

虐待禁止条例改正案は、全国で相次ぐ置き去りによる子どもの死亡事故を受け、子どもの安全を守ることを目的としています。

確かに、車内に子供が取り残されたまま放置されて、熱中症でなくなるなど悲しいニュースが報道されています。

もちろん故意ではないのでしょうが、こんなことがあってはいけませんし、親や家族は生涯重い十字架を背負うこととなります。

目的は明瞭で意義のある改正案ですが、アナウンスされた後、賛否両論上がっていることも事実で

虐待禁止条例改正案のメリット

・子どもが置き去りにされて死亡する事故を防止

・子どもが放置されたり、置き去りにされたりするのを防ぐことで、子どもの心身の健康を守る

・虐待を受けた子どもを早期に発見・保護することで、子どもの身体的・心理的被害を軽減する

虐待禁止条例改正案は、子どもの安全を守るための取り組みを県民全体で行うことを目的としています。

そのため、子どもの安全意識を高め、虐待の早期発見・早期対応を促す効果も期待できます。

虐待禁止条例改正案のデメリット

・罰則規定がないため、強制力に乏しい

・子どもだけの外出や短時間の留守番なども虐待にあたり、保護者を過度に追い詰める可能性がある

・子どもの主体性を奪い、自立を妨げる可能性がある

このようなメリット・デメリットを鑑みて、改正案は県議会で激しい議論を呼びました。

内容的には子供を守るという意味合いでその点は理解できるわけですが

反対派からは「子どもを守るための条例ではなく、保護者を罰するための条例だ」という批判があります。

埼玉県民の虐待禁止条例改正案に対する評価




賛成派の評価

・子どもの安全を守る効果が期待できる

・子どもの安全意識を高める効果が期待できる

・虐待の早期発見・早期対応につながる効果が期待できる

反対派の評価

・子どもだけの外出や短時間の留守番なども虐待にあたり、保護者を過度に追い詰める可能性がある

・子どもの主体性を奪い、自立を妨げる可能性がある

・罰則規定がないため、強制力に乏しい

虐待禁止条例改正案は、子どもの安全を守るための取り組みとして評価できるものの

罰則規定の導入や、条例の解釈と運用の明確化など、デメリットを解消するための検討が必要であると賛否が渦巻いています。

虐待禁止条例改正案の問題点

条例の解釈と運用

条例の解釈と運用を明確にすることで、保護者の混乱や、過度な取り締まりを防止することができます。

条例の解釈と運用については、専門家の意見を参考に、子どもの安全を守る観点から検討する必要があります。

特にシングルマザーや共働きの世帯から「生活できない」という声まであがっていることは大きな問題

仕事と家事や育児を両立させている家庭にとっては

「一生懸命子育てしている人たちの声を聞いているのだろうか?」という議員に対しての不信感があることも事実です。

子どもの安全意識の向上

子どもの安全意識を向上させることで、子ども自身が危険を回避できるようになり、虐待の防止につながります。

子どもの安全意識の向上については、教育や啓発活動を強化していく必要があります。

罰則規定の導入

罰則規定を導入することで、保護者が条例を遵守する意識を高め、子どもの安全をより確実に守ることができると考えられます。

罰則規定の導入については、保護者の意見や、児童虐待の防止効果などを十分に検討する必要があります。

まとめ

以上が、埼玉県の自民党県議団が県議会に提出した虐待禁止条例改正案の概要

2023年10月13日の県議会本会議で可決されれば、2024年4月1日からの施行となります。

子供たちを不幸な事故から防ぐ、守るという観点では評価されていますが、一方で保護者を過度に追い詰める可能性があるという声もあります。

子供を預かってくれる学童保育のような施策の拡充を、先に整備したうえで改正案の導入をという声もあります。

シングルマザーや共働き世帯の声ももっと聞いたうえで、議論すべき改正案なのかもわかりませんね。

今回は埼玉県での改正案ですが、この問題に関しては日本全国で考えるべき事柄だといえるでしょう。

子供たちを守りながら、よりよく安心して生活できる社会づくりには、まだまだ課題があることを投げかけた改正案だといえますね。